【今日のひとこと】

フィリップ・ノワレが亡くなったそうです。イタリア映画やフランス映画を代表する名優であることに間違いはないんですが、脇役も多く、出演作のすべてが日本で公開されるわけではないので、彼の日本での最後の出演作が何かとちゃんと言える人はまずいないんじゃないかと思いますね〜。ネットで調べても確信は持てません。まさか『パトリス・ルコントの大喝采』(1996)ということはないですよね。映画祭での上映作品では、2004年のフランス映画祭で、出演作『父と息子たち』『犬と将軍と鳥たち』という2作品が上映されています。
 現在、ポスト・プロダクション中の作品(たぶん遺作)もあるみたいなんですが、監督やキャストから判断して日本での公開は難しそうです。
 日仏学院あたりで追悼上映が企画されるかもしれませんね。

・2日連続でテレビ朝日系列で放映されるドラマ「氷点」。
 40年ぶりのドラマ化であることが強調されているみたいですが、実際には40年前のドラマ化以降も何度もドラマ化されています。1966年のドラマは、テレビ朝日の歴代視聴率ナンバーワンドラマとして金字塔のような作品なので、ことあるごとに再ドラマ化案が浮上するんですね。で、1971年に「続・氷点」として連続ドラマ化、1989年には開局35周年作品として2夜連続でドラマ化、2001年にも連続ドラマとしてドラマ化が実現しています。
 このほかにも、1971年にTBSで、1981年に毎日放送よみうりテレビでそれぞれ、1988年に台湾中華テレビでドラマ化され、1966年と1989年には映画化もされています。
 物語は、子供を殺された夫が、原因は妻の浮気にあると考え、妻に復讐するために殺人犯の娘を妻に内緒で養子にし、妻に育てさせるというちょっと異常さを感じさせるもので、妻は夫の日記を読んで真相を知り、それ以降、娘に虐待を始める……。「汝の敵を愛せよ」というキリスト教的なテーマが根底にあって、そこに普遍性があるので、この物語は時代を超えて受け入れられるんですね。
 真実を知って豹変する妻(でも内心は複雑な心境)とけなげに虐待に耐える娘という2人の演技が見どころのドラマで、これを1966年のドラマでは新珠三千代と内藤洋子が、1966年の映画では若尾文子と安田道代(現・大楠道代)が演じています(今度のドラマでは、飯島直子石原さとみ)。私が観たことがあるのは山本薩夫監督の映画版だけですが、1966年のドラマ版もDVD化されているようです。
 トリビアとしては、1966年の映画と1989年のドラマと今回のドラマに津川雅彦が出演していること(役は違うのでしょうが)。
 それにしても、出演者のバラエティー番組での番宣(の数)が凄まじくて、テレビ朝日の力の入れようがうかがえます。それでも、まあ、連続ドラマにするほどではなかったということなんでしょうが……。テレビ朝日でも番宣に使えるバラエティー番組がこんなにあったんだということにも驚かされました。
 これに対するに、フジテレビは、やはり2夜連続(こちらは金曜・土曜)でオリジナル・ドラマをぶつけたのですが、視聴率的にはテレビ朝日の勝ちでしょうか。
 石原さとみにとっては、フジテレビで初主演の連続ドラマ(「N'sあおい」)があり、初舞台(「奇跡の人」)があり、そして、これがありで、充実したいい一年になりました。あと主演映画があれば、言うことなしだったのですが……。


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