【今週のみどころ】

・今週の封切りはほとんど日本映画ばかり。

・先週末からチラホラ始まったお正月映画の封切りが今週もあるわけですが、岩波ホールで公開の『赤い鯨と白い蛇』以外は、お正月映画かどうかの判断が微妙で、『暗いところで待ち合わせ』と『パプリカ』は4週で打ち切りでない限りは、たぶんお正月映画ということになるのでしょう。

・今週は、伊勢真一プロデュース・監督作品特集の2本を含み、ドキュメンタリー作品が4本あり、『ありがとう』や『赤い鯨と白い蛇』など社会派的なテーマを扱った作品が多いのも特徴です。

・今度のお正月は、今年の夏休みに引き続き、“アニメだらけ”なことが特徴で、その1本目が『パプリカ』になります。そのほかのアニメ作品は、『オープン・シーズン』『スキャナー・ダークリー』『ふたりはプリキュア』『デジモンセイバーズ』『BLEACH』『どうぶつの森』『ライアンを探せ!』『鉄コン筋クリート』『TOKYO LOOP』。リチャード・リンクレイターが『ウェイキング・ライフ』で試みた実写とアニメを融合させた手法で、フィリップ・K・ディックの『暗闇のスキャナー』に挑んだ『スキャナー・ダークリー』、マイケル・アリアスを監督に迎えて松本大洋の原作を映画化した『鉄コン筋クリート』、ソニー・ピクチャーズ初めての長編アニメ『オープン・シーズン』、アニメーション映画誕生100年記念のオムニバス映画『TOKYO LOOP』など、タイプも手法も異なるバラエティーに富んだ作品がいっぱいです。『こまどり映画 こまねこ』というのもあります。
 でも、『時をかける少女』のような熱狂的なファンを生み出すような、そしてロングランになりそうな作品は見当たらない、かな?

・拡大公開系は、『ありがとう』しかありません。この物語、このキャスト、この監督で、どんな人に観てもらいたいの?って感じですが、初めから4週で上映終了が決まっているので、東映としてもそんなに期待しているわけではないという感じでしょうか。『デスノート the Last name』の4週連続1位阻止はムリ?

・今週は、ミニシアター系の映画ファンなら必見という映画を探すのが難しい感じですね。シネフィルな映画監督の作品もないし。アニメ・ファン、ホラー・ファン、ロック・ファン、岩波ホールの常連さん、社会派的なことに関心のある人等々、それぞれがそれぞれの関心のあるところに向かうと思われます。